本堂には本尊の大青面金剛が安置されています。秘仏であり、普段は厨子内に納められております。 60年に一度、庚申(かのえさる)の年にのみ開帳されます。伝屍病鬼とも呼ばれる、伝死鬼(結核性・伝染性の病気)の難を除きます。伝染病は見えない虫が媒介すると考えてきました。青面金剛は三尸の虫(さんしのむし、人の体内に棲む3匹の虫)も退治すると考えられ、庚申と習合しました。古来、一切の病魔悪鬼を除き、一切の願いを成就させる修法がなされてきております。当山では、毎日「青面金剛法」を修法させていただいております。本尊厨子の前には写真のような御前立が安置されています。
眷属として4体の四大夜叉、2体の二大童子、三猿(見ざる、言わざる、聞かざる)がおり、脇待として不動明王、弘法大師、東山天皇天牌を祀っております。
庚申とは
「十干(じっかん)」、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)、「十二支(じゅうにし)」、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の組み合わせによるものであり、組み合わせは60通り、60日に一度めぐります。
「庚申」の日の夜、人々は寝ずに一夜を明かす「庚申待ち」を行ないます。人の腹中には「三尸(さんし)の虫」が棲むといわれております。庚申の日の夜、人々が寝静まると、虫は人の体から這い出すといわれております。その虫は、人が犯した悪事を天帝に告げ、それによって人の寿命が決まると考えられました。
このため、人々は虫が抜け出さないように寝ずに過ごしました。庚申待ちにより、三尸の虫を除き、息災延命、心身清浄を祈願したのです。